ネット予約を無料で入れる。個人店が最初に選ぶ3つの型
「ネット予約を入れたいけれど、月額がかかるんでしょう」。よく聞く誤解です。個人店が必要とする範囲なら、0円で始められます。
なぜ入れるかというと、電話に出られない時間の予約を拾うためです。飲食店の予約電話の約3分の1は営業時間外にかかっていた、という調査があります(トレタ調べ・参考値)。営業時間内でも、施術中や調理中は出られません。予約したい人がいるのに受け取れていない時間が、毎日あります。
この記事には、無料でできる3つの型と、選ぶ基準、電話予約から移すときの伝え方を載せました。
予約サイトに登録すると、また月額がかかりますよね…
掲載媒体の予約と、自分の予約システムは別物です。自分で持つ予約なら手数料も月額もかかりません。今日は0円の範囲で3つ見ていきます
01まず、いま何件取りこぼしているか
導入の前に、2週間だけ数えてください。スマホの着信履歴を見れば、もう記録されています。
- 営業時間中の不在着信の数
- 営業時間外の着信の数
- そのうち折り返して、つながった数
営業時間外の着信が週に3件あるなら、月12件です。そのうち何割かは、ネット予約があれば取れていた予約です。この数字が出てから導入すると、どの型を選ぶかも決めやすくなります。
数字が「週0件」なら、ネット予約より先に手を打つところがあります。マップに出ていない、ページに情報がない、といった手前の問題です。
02無料でできる3つの型
手間と機能で3つに分かれます。どれか1つでかまいません。両方やろうとすると止まります。
型1:LINE公式アカウント + 予約フォーム(いちばん手間が少ない)
LINE公式アカウントを開いて、リッチメニューに「予約する」ボタンを置き、そこからフォームに飛ばす形です。フォームはGoogleフォームで作れます。すべて0円です。
- 向いている店:常連が多い、お客様の年齢層がLINEを使う、予約の変更が多い
- 弱点:予約の空き状況が見えない(希望日時をもらって、店が返す形になります)
- 強みの本体:予約以外の連絡もできること。リマインドも掘り起こしも同じ経路で送れます
型2:Googleビジネスプロフィールの予約リンク
Googleマップの店舗情報に予約ボタンを置けます。マップで見つけた人が、そのまま予約に進めます。リンク先は自分のフォームでも、予約システムでもかまいません。
- 向いている店:マップからの流入がある、新規を取りたい
- 弱点:リンク先の予約手段は別途用意する必要があります
- 強みの本体:探している人がいちばん近い場所に置ける導線
型3:無料の予約システム
予約枠のカレンダーを持ち、空き状況を見せて自動で受け付ける形です。無料プランがあるサービスがいくつかあり、月の予約件数やスタッフ数に上限がある代わりに0円という設計が多いです。
- 向いている店:予約数が多い、空き状況を見せたい、電話対応の時間を減らしたい
- 弱点:初期設定に時間がかかる(メニュー・所要時間・営業時間の登録)
- 注意:無料プランの上限(月間予約数・スタッフ数・機能)を導入前に必ず確認してください。上限を超えると有料になります
常連中心なら型1、新規を取りたいなら型2、予約数が多くて電話が鳴りやまないなら型3。まず1つだけ入れて、1ヶ月回してから次を考えるのが失敗しません。
03電話予約から移すときの伝え方
いきなり「電話予約はやめます」と言うと、常連が離れます。足すだけにしてください。
ネットからのご予約も始めました。
24時間いつでも受け付けています。→(リンク)
お電話でのご予約も、これまでどおり承ります。
最後の1行が大事です。電話しか使わない方は必ずいます。年配のお客様、初めてで不安な方、急ぎのトラブル。この層を切ると、業種によっては主力を失います。
伝える場所は4つです。①店内の掲示 ②会計時の一言 ③LINEやメールの署名 ④Googleビジネスプロフィールとホームページ。このうち②がいちばん効きます。人から言われたことは記憶に残ります。
0424時間受付にすると、何が変わるか
いちばん大きい変化は、夜の予約が入るようになることです。仕事帰りに思い出して、その場で予約する。この動きが電話ではできませんでした。
もう1つ、予約のやり取りの時間が消えます。「◯日の◯時は空いていますか」「その日は埋まっていて…」という往復が、カレンダーを見せるだけで終わります。型3を選ぶ理由はここにあります。
一方で、増えるものもあります。当日キャンセルと無断キャンセルです。予約のハードルが下がるぶん、来ないハードルも下がります。だから、ネット予約を入れるときはキャンセルポリシーを同時に置いてください。予約確認のメッセージに1行入れるだけで、連絡率が変わります。
05入れたあとに見る数字
導入して1ヶ月経ったら、3つだけ見ます。
| 見る数字 | 判断 |
|---|---|
| ネット経由の予約件数 | 0件が続くなら、導線が見えていない(掲示・声かけを増やす) |
| 営業時間外に入った予約の数 | ここが増えていれば、取りこぼしを拾えています |
| 不在着信の数 | 減っていれば、電話が減った分だけ手が空いています |
ネット予約が増えても、全体の予約数がすぐ増えるとは限りません。電話予約がネットに移っただけ、という月もあります。それでも意味があります。予約のやり取りに使っていた時間が戻るからです。
06今日やる1つ
予約を受け付けるフォームを1つ作ってください。Googleフォームなら15分です。項目は「お名前・電話番号・希望日時(第2希望まで)・メニュー・ご要望」の5つで足ります。
作ったURLを、まずLINEの署名かGoogleビジネスプロフィールに貼る。それだけで、今夜から24時間受付が始まります。
07よくある質問
ホットペッパーの予約とは別ですか?
別です。媒体経由の予約には手数料がかかりますが、自分で持つ予約導線には手数料がかかりません。両方あってかまいませんし、自分の予約が増えるほど実質負担は下がります。
無料の予約システムは、いつまで無料ですか?
サービスによって上限の設計が違います。月間予約数・スタッフ数・機能のどこに上限があるかを、導入前に公式サイトで確認してください。上限に近づいたら有料を検討する、で問題ありません。
お客様が使ってくれるか不安です。
最初の1ヶ月はほぼ電話のままです。会計時に一言添えるのを続けると、2〜3ヶ月目から比率が変わります。掲示だけでは動きません。
予約が二重に入ったらどうしますか?
型1・型2(フォーム受付)は店が返信して確定させる形なので、二重は起きにくいです。型3を使う場合は、電話予約もその場でシステムに入れる運用にしないと衝突します。
予約フォームに入れてはいけない項目はありますか?
必要のない個人情報は集めないでください。生年月日・住所・勤務先は、予約に不要なら不要です。集めた情報の保管場所と、誰が見られるかも決めておいてください。
出典: 営業時間外の着信割合=トレタ調べ(参考値)。無料プランの範囲は各サービスの公式情報をご確認ください。導入手順は当研究室で作成したもので、特定サービスを推奨するものではありません。
予約導線をお店の営業時間に合わせて設計する手順・予約確認メッセージの文例・移行のお知らせ文は、note「小さなお店のAI研究室」で1本300円で順次公開します。公開され次第、ここにリンクを載せます。アカウントを見る
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