お客さんは、AIにお店を聞き始めている。あなたの店は出てきますか
先に結論を言います。AIがお店を推薦するかどうかを分けていたのは、店の実力でも広告費でもなく、「その特徴が、どこかのページに文字で書いてあるか」でした。
これは想像ではなく、実験した結果です。この記事では実験の全記録と、AIに載るために書く場所、今日できる確認方法まで順に書きます。読み終わる頃には、自分の店で何をすればいいかが具体的に分かるはずです。
お客さんは、AIにお店を聞き始めている
米国では、AIに「近くのいい店」を聞いたことがある消費者が1年で6%から45%に増えたという調査があります(BrightLocal・2026年。海外の調査なので参考値です)。日本はまだそこまでではありませんが、検索のかわりに生成AIを使う人はすでに21.1%という国内調査があります(サイバーエージェント・2025年5月・9,278人)。
大事なのは「増えるかもしれない」ではなく、今この瞬間もAIは店を推薦しているということです。そしてAIが何を根拠に店を選んでいるかは、実際に聞いてみれば確かめられます。やってみました。
実験の全記録
2026年8月30日、ChatGPT(検索機能つき)とGoogleのAIモードに、同じ質問をしました。お題は新宿の脱毛サロンです。店名は伏せますが、やりとりは実物です。
聞き方1: ふつうに「おすすめ」を聞く
「新宿でおすすめの脱毛サロンを教えて」。ChatGPTは1分半ほどかけて17〜23件のサイトを読み、大手チェーン4店の比較表を返してきました。個人店はゼロです。読んでいたのは「おすすめ◯選」のようなまとめ記事と、各社の公式サイトでした。まとめ記事に載るのはほぼ大手なので、この聞き方では個人店は最初から存在しないのと同じでした。
聞き方2: 条件をつけて聞く
「大手じゃなくて、完全個室でマンツーマンの小さめのサロンは?」。すると今度は、スタッフ4人の小さなサロンが「第一候補です」と名指しで出てきました。料金、駅からの分数、予約ページのリンクつきです。
注目してほしいのは、AIが自分で説明した選定理由です。
「完全個室&担当制、細かい部位まで対応、と明記されているため」
そして、条件が近そうな別の小さな店2つは、こう言って外されました。
「対応範囲が公開情報で確認できませんでした」
書いてある店は選ばれ、書いていない店は「確認できない」で落ちる。差はそれだけでした。
聞き方3: GoogleのAIモードで聞く
Google検索の上部に出る「AIモード」でも同じ質問をしました。こちらは最初の質問から、大手に混ざって個人店を2つ推薦してきました。材料が違うからです。AIモードの推薦文の下には「証拠」の欄があり、Googleビジネスプロフィール(お店の無料登録情報。以下GBP)の説明文と、お客さんの口コミの文章がほぼそのまま引用されていました。
しかもその個人店の口コミは約200件。同じ表に並んだ大手は1,000件超です。件数で5倍差があっても、満点評価と「特徴の際立ち」で同じ表に載っていました。件数の少なさは、個人店が諦める理由にならないということです。
実験の要点(1枚で)
| 聞き方 | 出てきた店 | AIが読んでいた材料 |
|---|---|---|
| 「おすすめを教えて」 | 大手チェーン4店のみ | まとめ記事+公式サイト |
| 「完全個室でマンツーマンの店は?」 | 小さなサロンが第一候補 | その店のページの記載 |
| GoogleのAIモードで同じ質問 | 大手に混ざって個人店2つ | GBPの説明文+口コミの中身 |

AIは、書いてある文章しか知らない
実験をまとめると、AIが店を推薦するときの材料は3つです。
- あなたのお店の公式ページ・掲載ページの文章
- GBPの説明文
- お客さんの口コミの中身
裏を返すと、あなたのお店の「うちは当然やってます」は、文字になっていなければAIには存在しません。完全個室でも、子連れ歓迎でも、夜21時までやっていても、書いていなければ「確認できませんでした」の側に入ります。
AIに載るために、書く場所は3つ
では何をすればいいか。特別な技術は要りません。自分の店の特徴を、AIが読む3つの場所に、事実として書くだけです。
1. GBPの「ビジネスの説明」欄
管理画面の「プロフィールを編集」から750字まで書けます。実験では、この説明文がほぼそのままAIの推薦文になっていました。つまりここは、AIがあなたの店を他人に紹介するときの原稿です。
例文の型: 「◯◯(地域)の△△(業種)です。□□なお客様に向けて、××を行っています。特徴は、(事実を3つ: 例. 完全個室2室・担当制・当日予約可)。初めての方は◇◇からご予約いただけます」
コツは1つだけで、「心を込めて」のような気持ちの言葉ではなく、対応範囲・体制・時間・払い方などの事実を書くことです。実験でAIが引用したのは、例外なく事実の記述でした。
2. 自分のページ(ホームページ・掲載ページ)
聞き方2で個人店が勝てたのは、ページに「完全個室&担当制」と明記してあったからです。あなたのページは、お客さんの質問に答えられる状態になっているでしょうか。「個室ですか」「担当は毎回同じ?」「駐車場は?」「都度払いできる?」。答えがページのどこにも書いていなければ、書き足してください。1行の追記が、そのまま土俵への入場券になります。
3. 口コミへの返信
AIモードは口コミの文章を「証拠」として引用していました。口コミそのものは操作できませんし、してはいけません(謝礼と引き換えの口コミ依頼はステマ規制の対象です)。できるのは返信で言葉を補うことです。「◯◯でお悩みでしたが、△△をご利用いただきました」のような事実の補足は、返信欄に書いた瞬間からAIが読めるページの一部になります。
業種によって「書きどころ」は違う
書く場所は同じでも、効く事実は業種で変わります。自分の店に近い行から埋めてください。
- サロン(美容室・エステ・ネイル): 個室かどうか・担当制か・対応できる範囲(他店で断られたケース、敏感肌、年齢)・都度払いの可否。実験で個人店が勝った決め手はこの領域でした
- 飲食店: 予約の可否と方法・個室や座敷の有無・アレルギーやベジタリアン対応・子連れ可・ラストオーダー時刻。AIは「子連れで行ける店」「遅くまでやってる店」のような条件つきの質問をよく受けます
- 小売・教室: 取り扱いの範囲(修理だけ・持ち込みだけでもいいか)・体験や見学の可否・駐車場・支払い方法。「◯◯だけお願いできる店」を探す人の受け皿になります
共通するのは、断られる不安を先に解消する事実ほど強いことです。お客さんがAIに条件をつけて聞くのは、電話で聞いて断られるのが嫌だからです。
MEO対策・LLMO対策と、何が違うのか
検索すると「LLMO対策」「AIO対策」という言葉を掲げた業者が増えています。用語の整理だけしておきます。
- MEO対策: Googleマップの上位に出すための施策。従来からあるもので、実験でも通常検索ではマップ枠が最初に出ました。今も有効です
- LLMO対策/AIO対策: ChatGPTなどのAIの回答に載るための施策。新しい言葉ですが、実験で見た限り、その実体は「AIが読む場所に、事実を書いておくこと」でした
つまり、この記事でやることがそのままLLMO対策の中身です。高額な契約をする前に、まず無料でできる上の3つを済ませてください。効果を保証する業者がいたら、むしろ警戒したほうがいいです。AIの回答は毎回変わるので、誰にも保証はできません。
今日やる1つ
自分の店で、この3つを聞いてみてください。ChatGPTでもGoogleのAIモードでも構いません。
- 「【地域名】でおすすめの【業種】を教えて」
- 「【あなたの店の一番の売り】な【業種】が【地域名】にある?」
- 「【店名】ってどんな店?評判は?」
2で出てこなければ、あなたの一番の売りはまだ文字になっていない可能性が高いです。3で間違った説明が出たら、AIが読んだどこかのページに古い情報があります。どちらも「直す場所」が特定できるのがこのテストの価値です。月に1回、同じ質問で測ると変化も分かります。
よくある質問
Q. お金はかかりますか?
この記事の内容は全部0円です。GBPの登録も説明文も無料で、書き足すのはあなたの時間だけです。
Q. ホームページがない店は不利ですか?
GBPと掲載ページ(ホットペッパー等)だけでもAIは読みます。実験でも、AIのソースには掲載サイトのページが含まれていました。まずGBPの説明文から始めれば大丈夫です。
Q. 業者に「LLMO対策」を勧められました。頼むべきですか?
まず断ってください、とまでは言いませんが、この記事の3つ(GBP・自分のページ・口コミ返信)を0円でやってから判断しても遅くありません。「AIの回答に載せることを保証する」と言う業者は、仕組み上できない約束をしています。
Q. 書いたらすぐAIに反映されますか?
分かりません、が正直な答えです。AIが情報を取り直すタイミングは公開されていません。だからこそ「書いてから毎月測る」をセットにしてください。当研究室でも同じ実験を毎月繰り返して、変化を報告していきます。
この記事の完全版(GBP説明文を作るAIへの頼み方・自分のページの明記チェック10問・毎月の記録表)は、noteの記事と月額の研究室で公開予定です。公開され次第、ここにリンクを載せます。
出典: BrightLocal Local Consumer Review Survey(2026年・米国・回答1,002人・参考値)/サイバーエージェント GEOラボ調査(2025年5月・9,278人)/実験は当研究室が2026年8月30日に実施(1回の観測であり、AIの回答は時期・環境で変わります)
手順の詳しい版・コピペで使えるAIへの頼み方・実測データは、noteの記事(300円)と月額の研究室で公開予定です。公開され次第、ここにリンクを載せます。
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